今年のクマによる被害は例年と比較して異例のペースで増加しており山間部だけでなく市街地での出没も目立っています。本日も岩手県で自宅敷地内で男性が遺体で見つかりクマに襲われた可能性が高いという痛ましいニュースが報じられました。さらに、紅葉シーズンの観光地(岐阜県白川郷など)でもクマ出没の影響でライトアップが中止されるなど影響は広範囲に及んでいます。
被害増加の主な背景
• 餌不足の深刻化:ブナやドングリなどのクマの主な餌となる木の実が地域によって不作となりクマが空腹を満たすために行動範囲を広げ人里に下りてきています。
• 「人馴れ」した個体の増加:人里のごみや農作物の味を覚えたクマは人間への警戒心が薄れ同じ場所へ繰り返し出没する傾向があります。過去に人を襲ったクマが数年後に再び被害を引き起こすケースも確認されており事態の深刻さを示しています。
• 少雪の影響:記録的な少雪の影響で春先の活動開始が早まり活動期間が長くなったことも被害増加の一因とされています。
私たちが改めて見直すべき対策
クマの被害はもはや山にいる人だけの問題ではありません。都市近郊を含む全ての地域で私たちはクマとの予期せぬ遭遇に備える必要があります。
1. 「出会わない工夫」の徹底
クマは基本的に人間を避ける動物です。最も危険なのは、お互いの存在に気づかず接近し「鉢合わせ」することです。
• 音を出す: 山や藪に入る際はクマ鈴やラジオなどで絶えず音を出し人間の存在を知らせましょう。
• ゴミ食べ物の管理クマを人里に引き寄せる最大の要因である生ゴミや農作物ペットフードなどを屋外に放置せず、確実に管理しましょう。
2. 万が一遭遇した場合の冷静な対処
もしクマに出会ってしまったら、パニックにならず、絶対に走って逃げてはいけません。クマを興奮させ本能的に追いかけるスイッチを入れてしまうためです。
• 静かに後退り: クマから目を離さずゆっくりと背を向けることなく後退してその場を離れましょう。
• 威嚇をしない: 大声を出したり石を投げたりといった刺激的な行動は避けましょう。
求められる「共存」の境界線
クマの大量出没と被害の増加は、日本の豊かな自然環境と人間社会との共存の境界線が崩れ始めていることを示唆しています。
生態系の一員としてのクマを守る視点も大切ですが人の命を守るための緊急的な対策も同時に必要です。クマ被害を防ぐためには電気柵の設置や地域での情報共有はもちろん狩猟者の高齢化や不足といった構造的な課題、捕獲したクマの有効利用といった複雑な問題にも目を向け地域社会全体で取り組むことが求められています。
この秋、私たちは自然の恵みと同時にその手強さそして野生動物との距離感を改めて見つめ直す必要があるでしょう
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